
「またこの入力か……」
そう思いながら、さっき基幹システムに打ち込んだ数字を今度はkintoneに打ち込む、という作業を毎日繰り返していませんか?
「二重で入力するのはめんどくさい!なんとか自動化したい!」という方のために、この記事の結論を先にお伝えします。
二重入力をなくすとき、最初にやるべきは「ツールで自動化すること」ではなく「入力自体が必要かを問う」ことです。
不要な入力を自動化しても”ムダを高速化する”だけになります。
遠回りに見えて「必要性を見極めること」が自動化への一番の近道です。
この記事では、kintoneの二重入力をなくす前に、確認すべきことの見極め方を順番に説明します。
二重入力を自動化する前の問い
二重入力に困っている人の多くは、「どうやって自動化するか」から考え始めます。
- kintoneと基幹システムを連携させるツールはないか
- RPAで転記を自動化できないか
- フォームから自動でデータを登録できないか
適切なツールを使えば作業を自動化できます。
ただ、見落とされがちなのは「その二重入力する作業は、自動化する価値があるのか」という視点です。
自動化は、あくまで「その業務を残す」という前提に立った解決策です。
残さなくていい入力まで、コストをかけて自動化してしまう。 これが、自動化の最初のつまずきです。
二重入力はなぜ生まれるのか
見極めのために、まず二重入力が生まれる理由を整理します。
- システムが分かれているから
- 基幹システムとkintoneが別々で両方に同じ情報が必要
- 部署ごとに違うツールを使っていて間を人がつないでいる
- 記録の目的が違うから
- 営業は案件管理のために、経理は請求のために、同じ顧客情報を別々に入力している
- 昔からそうしているから
- 誰も理由を説明できないが、何年も同じ転記作業が続いている
事例としては3つ目がいちばん多いように思います。昔からそうしているからという理由で見直せるのであれば、そこは大きな価値があります。
【最重要】その入力、そもそも必要ですか?
二重入力を見つけたら、自動化を考える前に、この順番で問いを立ててみてください。
- この入力を、やめられないか(そのデータは本当に両方に必要か)
- この入力を、1回にまとめられないか(片方を見るだけで済ませられないか)
- どうしても2回必要なら、自動化できないか
3番目から考えがちですが、1と2番目で解決できます。
たとえば「基幹システムに入力した内容を、報告用にkintoneにも転記している」ケース。
そもそも報告のためだけに二重入力が発生しています。
基幹システムのデータを直接見られるようにすれば、kintoneへの転記自体をなくすことが可能です。
順番に問いを立てることで、自動化せずに業務そのものをなくせます。
自動化して効果が出る二重入力の見分け方
問いを立てた結果「この二重入力は残すしかない」となる場合もあります。 自動化して効果が出るかどうかを見分ける基準は3つあります。
- 毎日・高頻度で発生している
- 週に1回の入力を自動化しても、削減効果は小さい
- 毎日何十件も発生するものほど、自動化の価値が高い
- 判断を伴わない単純な転記である
- 「AをそのままBに写す」だけの作業は自動化に向いている
- 人の判断が挟まる作業は、自動化するとかえって危ない
- ミスが起きると影響が大きい
- 金額や在庫数など、間違えると損失につながるものは優先度が高い
当てはまるものから自動化すれば、投資した労力が確実に回収できます。 当てはまらない二重入力は、自動化を急ぐ必要はありません。
二重入力をなくす具体的な方法
見分けたあとに「自動化する」場合は、いくつかの方法があります。
- kintone標準の「アプリアクション」で、アプリ間のデータを転記する
- フォーム連携サービスで、入力を一度で複数のアプリに反映する
- 基幹システムとの連携ツールで、データを自動で同期する(Power Automateなど)
- RPAで、システム間の転記作業を自動化する
各ツールの提供元が詳しいマニュアルや事例を公開しています。
「どの手段が自社に合うか」は、扱うデータ量やシステム構成によって変わります。
ここで大切なのは、手段は目的ではないということ。
どのツールを使うかより「本当に自動化すべき入力を選べているか」の方が、結果を大きく左右します。
まとめ:手を動かす前に、一度立ち止まる
二重入力をなくすとき、順番を間違えないことが大切です。
- その入力は、そもそも必要か(やめられないか)
- 1回にまとめられないか
- 残すなら、自動化する価値があるか見極める
- そのうえで、具体的な手段を選ぶ
多くの人が最後の「手段」から考え始めますが、本当に効くのは最初の問いです。
不要な入力を自動化するのは、ムダを速く回すだけ。
まずは「この入力、そもそも必要か」を問うことから始めてみてください。
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